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崩しと固めのバリエーション -- 相手のガードを揺さぶる

崩しと固めのバリエーション -- 相手のガードを揺さぶる

起き攻めはダウンを取った後の限定的な場面だけど、試合全体を通して「相手のガードを崩す」場面はもっと広い。

相手がガードを固めている。こちらの打撃はガードされて通らない。じゃあどうするか。ここで登場するのが「固め」と「崩し」の考え方だ。

固めは相手をガード状態に縛りつけておく連携のことで、崩しはそのガードをこじ開ける攻撃のこと。この2つはセットで機能する。固めがなければ崩しが成立しないし、崩しがなければ固めている意味がない。

STEP2の起き攻めと合わせて、ここでは試合全体を通した攻めの設計を一緒に見ていこう。

固め(ブロックストリング)の基本 -- ガードさせ続ける連携

固めとは、相手にガードを強制する連携のこと。英語ではブロックストリング(block string)と呼ばれる。自分の技を連続してガードさせて、相手を動けない状態に押さえ込む。

途切れない連携と途切れる連携の使い分け

固めには大きく分けて2種類ある。

真の連続ガード(トゥルーブロックストリング): 技と技の間に隙間がなく、ガードし続けるしかない連携。相手は暴れることもバクステで逃げることもできない。安全だけど、ガードされ続けるだけなので崩しにはつながりにくい。

フレームトラップ: 技と技の間にわずかな隙間(1〜4フレーム程度)を空けた連携。相手が隙間を見て暴れ(技を出して割り込もうとすること)ようとすると、こちらの次の技がカウンターヒットする仕組み。隙間がある分、無敵技で割り込まれるリスクはあるが、相手が暴れようとしたところを狩れるリターンが大きい。

SF6でいえば、立ち中パンチ→しゃがみ中パンチのような連携が典型的なフレームトラップになる。鉄拳8ではジャブ(ワンツー)からの遅らせ打撃、GGSTでは近S→遠S(それぞれ近距離スラッシュ、遠距離スラッシュ。ボタンは同じだが距離によって異なる技が出る仕組み)のような連携が該当する。

この2種類を混ぜることで、相手に「ここは暴れていいのか、ガードし続けるべきか」を判断させるプレッシャーが生まれる。

固め中の相手の行動をケアする方法

固めている最中、相手は黙ってガードし続けてくれるとは限らない。暴れようとしたり、無敵技で割り込もうとしたり、バクステで逃げようとしたりする。

それぞれの行動に対するケア(対策)を事前に用意しておくと、攻めが安定する。

  • 暴れケア: フレームトラップを仕込む。暴れた相手にカウンターヒットする
  • 無敵技ケア: 連携の途中であえて止めてガードする。無敵技を空振りさせて反撃
  • バクステケア: 前に進む技や持続の長い技を置いておく。下がった相手に引っかかる

全部を同時にケアするのは難しい。だから1試合の中で「この相手はどの行動が多いか」を観察して、対応するケアの配分を変えていくことになる。これも読み合いの一部だ。

崩しの手段 -- ガードを崩す攻撃の種類

固めで相手を押さえ込んだら、次はガードを崩す段階に入る。主な崩し手段を見ていこう。

投げ / 中下段の二択 / めくり / コマンド投げの特徴

投げ: STEP1でも触れた基本の崩し。ガードしている相手に対して有効だけど、投げ抜けが存在するため読まれると通らない。投げのダメージ自体は控えめだが、投げ後の起き攻めで追加リターンを取れる。

中下段の二択: 立ちガードには下段攻撃が通り、しゃがみガードには中段攻撃が通る。この「中段と下段のどちらが来るかわからない」状態を作るのが中下段の二択。鉄拳8はこの要素が特に強く、しゃがみステータス(姿勢を低くして上段技をかわす状態)からのミックスアップ(複数の選択肢を混ぜて相手にガード方向を迷わせること)が勝敗を分ける場面が多い。SF6でも飛び込みからの中下段は基本的な崩しパターンになっている。

めくり(クロスアップ): ジャンプ攻撃を相手の頭上を越えるように出して、ガード方向を逆にさせる攻撃。めくりが来ると思ったら通常のジャンプ攻撃、通常だと思ったらめくり、という表裏の二択になる。GGSTではキャラによってめくり性能が大きく異なるので、キャラ対策の一環として覚えておくといい。

コマンド投げ: 通常の投げと違い、コマンド入力で出す投げ技。通常投げと違って「投げ抜け」ができないものが多く、成功すればそのままコンボや大ダメージにつながる。ただし発生が遅かったり、空振りすると大きな隙を晒したりするケースが多い。SF6のザンギエフのスクリューパイルドライバーや、鉄拳8のキングの投げ技が代表的。

崩し択の頻度調整 -- 相手に読ませない配分

崩しで重要なのは「何を出すか」だけでなく「どの頻度で出すか」だ。

投げばかり狙っていれば投げ抜けを合わせられるし、中段ばかり出していればしゃがみガードで対応される。ひとつの崩しに偏ると相手に読まれやすくなる。

だから、たとえば「固めの3回に1回は投げに行く」「投げを2回続けたら次はシミーで投げ抜けを狩る」のように、自分の中で配分の目安を持っておくと、行動がパターン化しにくくなる。

もちろん厳密な確率を計算する必要はない。ただ「同じ行動を3回以上連続しない」くらいの意識があるだけで、読まれにくさはかなり変わってくる。

逆に、あえて同じ選択肢を連続で出す、というのも上級者のテクニックだったりする。「さすがに3回連続はないだろう」と相手が思い込んでいるところに3回目を通す。こういった心理戦は、相手の思考パターンが見えてきたときに効果を発揮する。

「固め→崩し→コンボ→起き攻め」のループ設計

ここまでの流れを整理すると、格ゲーの攻めは大きなループ構造になっていることがわかる。

  1. 固め: 打撃連携で相手をガード状態に押さえ込む
  2. 崩し: 投げ・中下段・めくりなどでガードを崩す
  3. コンボ: 崩しが成功したらコンボでダメージを取る
  4. 起き攻め: コンボ後のダウンからまた攻めを仕掛ける
  5. 1に戻る

このループを1回転させるたびにダメージが蓄積していく。1回のループで削れる体力はそこまで大きくなくても、2回転、3回転させれば相手の体力は大きく減る。

逆に守る側は、このループのどこかで脱出することを狙う。固めの隙間で暴れる、投げを抜ける、無敵技で割り込む、バクステで距離を取る。脱出できればニュートラル(お互いが自由に動ける間合い)に戻れる。

攻め側としては、なるべくこのループを回し続けること。守り側としては、なるべく早くループから抜けること。この攻防が格ゲーの試合の基本的な流れになっている。

SF6のドライブシステム(攻守両方に使えるゲージ。ドライブインパクトやドライブパリィなど複数の行動に消費する)や、GGSTのバースト、鉄拳8のパワークラッシュは、このループの流れを一時的に変えるシステムとして設計されている。こうしたシステムの理解が深まると、ループの回し方も守り方もさらに精密になっていく。

このSTEPのまとめ

固めと崩しは、起き攻めと並ぶ格ゲーの攻めの柱だ。

  • 固め: 途切れない連携(安全だが崩しにつながりにくい)とフレームトラップ(暴れを狩れるがリスクもある)を混ぜる
  • 崩し: 投げ・中下段二択・めくり・コマンド投げを状況に応じて使い分ける
  • 頻度調整: ひとつの崩しに偏らず、配分に意識を向けるだけで読まれにくくなる
  • ループ設計: 固め→崩し→コンボ→起き攻め→固め…のサイクルを意識すると、攻めの全体像が見えてくる

まずは自分のキャラの基本的な固め連携をひとつ覚えて、そこから投げと打撃の二択を混ぜるところから試してみよう。パーツを少しずつ増やしていけば、攻めの引き出しは自然と広がっていく。

次のSTEP4では、読み合いの精度をさらに高めるために、相手の行動傾向を「観察する」技術を掘り下げていく。

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