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フレームトラップの組み立て方 -- 暴れ潰しの戦術

フレームトラップの組み立て方 -- 暴れ潰しの戦術

STEP3までで、フレームの基本、有利・不利の仕組み、確定反撃と進んできた。ここまでの内容は「相手の技をガードした後の話」が中心だった。

STEP4では視点を変えて、自分から仕掛ける攻めの中でフレームを使う方法を見ていく。その中核がフレームトラップだ。

フレームトラップは、簡単に言うと「わざと小さな隙間を作って、相手がそこでボタンを押したら負ける状況を作る」テクニック。格ゲーの攻めを一段上のレベルに引き上げる戦術のひとつで、これが使えるようになると「ガードしている相手を崩す手段」が大幅に増える。

フレームトラップとは -- 隙間を作って相手のボタンを潰す

ガードしている相手を崩す方法として、格ゲーには投げがある。投げはガードを無視してダメージを与えられるけれど、投げ抜け(投げに対する防御入力)で対処される。

じゃあ投げが来ると思って投げ抜けを仕込んでいる相手にはどうするか。投げ抜けの入力にはボタンを押す動作が含まれるから、そのタイミングに合わせて打撃を当てれば**カウンターヒット(相手が行動中に打撃がヒットすること。通常ヒットよりダメージが大きくなったり、追撃が可能になったりするタイトルが多い)**になる。

これがフレームトラップの基本構造。有利フレームからの連携にわずかな隙間を設け、相手がその隙間でボタンを押したらカウンターヒットするという仕組みだ。

+2から発生5Fの技を出す → 3Fの隙間で暴れを潰す仕組み

具体例を見てみよう。

自分の技がガードさせて+2F。そこから発生5Fの技を出す。相手の画面では、2F分の有利がこちらにあるから、こちらの5F技は相手から見ると実質3Fで届く計算になる(5F - 2F = 3F)。

相手の最速技が4Fだとすると、こちらの技が届く前に3Fの猶予がある。相手がここでボタンを押すと、4Fの技は発生するけれど、こちらの技(実質3Fで届く)のほうが先にヒットする。つまり相手のボタンが出る1F前にこちらの攻撃が当たる。これがフレームトラップ。

この「3Fの隙間」がポイント。隙間がゼロなら連続ガード(いわゆる連続技/コンボ)になるし、隙間が大きすぎると相手の暴れ(不利な状況で技を出して割り込むこと)が間に合ってしまう。フレームトラップはちょうどいい大きさの隙間を意図的に作る技術だ。

SF6では、リュウの立ち中パンチ(ガード時+1F)→少し遅らせて立ち中パンチ、というのがシンプルなフレームトラップの例。鉄拳8では、ポール・フェニックスの崩拳(ガード時+4F前後)からの派生がフレームトラップ的な運用になる。GGSTでは、ソル=バッドガイの近S(ガード時有利)→遠S(発生9F前後)というルートがフレームトラップとして機能する場面がある。

フレームトラップ vs 投げ -- 二択の構築法

フレームトラップの真価は、投げと組み合わせたときに発揮される。

攻め側の選択肢:

  • 投げ: ガードを崩してダメージ。ただし投げ抜けで対処される
  • フレームトラップ: 投げ抜けや暴れを潰してカウンターヒット。ただしガードで防がれる

守り側の選択肢:

  • ガード継続: フレームトラップはガードできるが、投げは喰らう
  • 投げ抜け: 投げは防げるが、フレームトラップでカウンターを喰らう
  • 暴れ(最速技で割り込み): 隙間が大きければ割れるが、フレームトラップには負ける
  • 無敵技: 投げもフレームトラップも拒否できるが、ガードされたら大ダメージ

この攻防が格ゲーの中核にある読み合いのひとつ。フレームトラップを使えるようになると、「投げか打撃か」の二択が機能し始める。どちらか一方しか持っていないと相手は対処しやすいけれど、両方あると守る側の判断コストが跳ね上がる。

自キャラのフレームトラップルートを構築する

フレームトラップの概念がわかったら、次は自分のキャラで具体的なルートを組んでみよう。

ガードさせて有利な技を起点にしたルート設計

フレームトラップの起点になるのは、ガードさせて有利な技。フレームデータで「ガード時 +1以上」の技が起点の候補になる。

手順を整理すると:

  1. 自キャラの技で「ガード時 +」の技をリストアップする
  2. その技の後に出せる技の中から、隙間が1〜4Fになる組み合わせを探す
  3. トレモでダミーに「ガード後最速暴れ」を設定して、潰せるか確認する
  4. 潰せたらカウンターヒットからの追撃(コンボ)まで練習する

たとえばSF6のケン。しゃがみ中パンチ(ガード時+1F)→立ち強パンチ(発生8F)という流れを組むと、相手から見ると7Fの隙間ができる。4F暴れは間に合ってしまう。では、しゃがみ中パンチ→立ち中パンチ(発生7F)ならどうか。隙間は6F。これもまだ4F暴れに負ける。

しゃがみ中パンチ→しゃがみ中パンチなら、+1Fから発生6F(※キャラによって異なる)で隙間5F。4F暴れで出した技が5F目に発生するから、ギリギリの勝負になる。

この計算は最初のうちは面倒に感じるかもしれない。でも、一度ルートを決めてしまえばあとは同じパターンを使い回すだけ。「この技をガードさせたらここに繋ぐ」というルートを2〜3本持っておくだけで攻めの選択肢がぐっと広がる。

ディレイをかけてトラップの幅を変える応用テクニック

フレームトラップの隙間は、連携のタイミングをずらす(ディレイをかける)ことでも調整できる。

同じ技の連携でも、最速で出すのと少し遅らせて出すのとでは隙間の大きさが変わる。最速だと連続ガードになる連携でも、わずかにディレイをかければフレームトラップになる。

このディレイの使い分けが上手いプレイヤーは、相手からすると「いつ隙間ができるかわからない」ため非常にガードしづらくなる。ディレイなし→連続ガード。少しディレイ→3Fの隙間。もう少しディレイ→5Fの隙間。同じ連携に見えても中身が違う。

ディレイ調整の練習方法は、トレモでダミーを「ガード後にリバーサル(ガード硬直が解けた最速のタイミングで行動すること)で暴れ」に設定して、ディレイの長さを変えながら「潰せたり潰せなかったり」する感覚を掴むこと。最速と最遅の両方のタイミングを使い分けられるようになると、攻めのバリエーションが格段に増える。

フレームトラップを使いこなすための段階的な進め方

フレームトラップは理論を知っているだけでは実戦で使えない。段階的に身につけていく流れを紹介する。

段階1: まずひとつのルートを固定する 自キャラで最も使いやすいフレームトラップルートを1つ決めて、それだけを狙う。投げとの使い分けはまだ気にしなくていい。まず「ガードさせて有利→次の技を出す→カウンターヒットが取れた」という成功体験を積む。

段階2: 投げと混ぜ始める フレームトラップが相手に意識されてきたら、同じ起点から投げを混ぜる。相手がフレームトラップを警戒してガードを固めていると、投げが通りやすくなる。逆に投げを嫌がって暴れ始めたら、フレームトラップで潰す。この攻守の循環が回り始めると、攻めの質が一段上がる。

段階3: ディレイで幅を持たせる 同じルートでもタイミングを変えることで、相手の暴れポイントをずらす。ここまで来ると「いつ隙間ができるかわからない」状態を作れるようになり、ガードの上からプレッシャーをかけ続けられる。

急いで全部を一度に身につけようとすると、かえって中途半端になりがちだ。段階1が安定してから段階2に進む、くらいのペースで取り組んでみよう。

まとめ -- フレームトラップを対戦で使いこなすステップ

フレームトラップは「有利フレームから意図的に隙間を作り、相手の暴れをカウンターヒットで潰す」攻めの技術。

  • 原理: 有利Fからの連携に隙間を作る。相手がその隙間でボタンを押すとカウンターヒット
  • 投げとの二択: ガードを固める相手には投げ。暴れる相手にはフレームトラップ。この二択が攻めの基盤になる
  • ルート構築: 「ガードさせて有利な技」をリストアップ→隙間1〜4Fの連携を探す→トレモで確認
  • ディレイ応用: 同じ連携のタイミングをずらすことで隙間の大きさを変える

フレームの知識がここまで繋がると、「なぜあの人の攻めは崩せないのか」の答えが見えてくる。それは投げとフレームトラップの使い分けが的確で、こちらの判断を常に外してくるから。逆に言えば、自分がそれをできるようになれば、同じプレッシャーを相手に与えられる。

次のSTEP5では、フレームデータの情報源の探し方と、知識を実戦に落とし込むための3ステップを扱う。シリーズの締めくくりとして、フレームの「調べ方」と「使い方」を統合していこう。

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